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Video Journey to Vietnam

ジャンル
その他/美術/複合
カテゴリー
上映会/展覧会
開催日時
2025年1月18日(土)~2025年2月9日(日)
会場
京都芸術センター 和室「明倫」
料金・その他
無料
事業区分
主催事業
Video Journey  to Vietnam

映像でめぐる世界の旅。
Video Journey は、世界各国のアートセンター等の機関と連携し、世界各地のアーティストの映像作品を紹介するプログラムです。

第2回目となる今回は、ベトナム・ホーチミン市に拠点を置くアート団体「Sàn Art」との映像のエクスチェンジプログラムとして実施します。京都でベトナムの、ベトナムで京都のアーティストの映像作品をそれぞれ上映します。

京都芸術センターでは、5名のアーティストによる7つの映像作品を紹介します。
ベトナムの歴史を描写する映画や映像と個人史を重ね合わせ、個人の歴史と集合的な歴史の間にある断絶を問うグエン・チャン・チー。民族解放のために戦い命を落とした人々の墓の情報を集め遺族とつなげる「渡し守」と呼ばれる人物にインスパイアされた作品を制作したスアン・ハ。ベトナムを舞台とする映像作品における「自然」の表現について考察し、現代社会における映像イメージの消費について問を投げかけるレナ・ブイ。新しいテクノロジーが現代社会を生きる人々にどのような影響を及ぼすかを考察するグエン・ホアン・ジャン。作家自身の幼少期の記憶と成長後の現実を、現実と虚構が交錯する物語として構成したファン・アン。
ベトナムに生きる人々の「今」を反映した映像作品をお楽しみください。

<上映作品リスト>
グエン・チャン・チー(Nguyen Trinh Thi)
《Everyday’s the Seventies.》2018年、15分25秒
スアン・ハ(Xuân-Hạ)
《渡し守》2021年、26分00秒。
レナ・ブイ(Lena Bui)
《光》2024年、2分53秒
《Precious. Rare. For Sale.》2023年、12分40秒
グエン・ホアン・ジャン(Nguyen Hoang Giang)
《Il Provino》2023年、15分19秒
《人間学習》2021年、13分19秒
ファン・アン (Phan Anh)
《Confronting oneself in the state of presence.》2016~2017年、16分23秒
※映像は上映時間中ループ再生されます。

<アーティスト略歴
グエン・チャン・チー(Nguyen Trinh Thi)
1973年生まれ
https://nguyentrinhthi.wordpress.com

ベトナム、ハノイを拠点に活動する映像作家、アーティスト。記憶、歴史、表象、権力構造、植民地主義や戦争の遺産、失われゆくベトナム固有の文化の関係を探求している。ベトナムの映像作家のパイオニアの一人でもある作家は、モンタージュの手法を用いて作品を制作しており、自らが録音・録画したイメージだけでなく、ポストカードや写真、ニュース映像、ハリウッド映画、民族誌映画などから採集したイメージや映像素材を取り入れている。見えないもの、語られないもの、聞こえないものだけでなく、イメージを知覚し、創造する方法についても探求し、多様なメディアを融合させることで、多層的な感覚を生み出している。2009年には、新世代のベトナムの映像作家の育成を目的とした教育施設・制作スタジオである「Hanoi DocLab」を設立し、ディレクターを務める。彼女の作品や映画は、ドクメンタ、アルテス・ムンディ、オーバーハウゼン短編映画祭、ミネアポリス美術館、第9回アジア太平洋トリエンナーレ、シンガポール・ビエンナーレ、タイ・ビエンナーレ、シドニー・ビエンナーレ、森美術館、シンガポール美術館など、著名な映画祭や展覧会で紹介されている。2024年プリンス・クラウス・インパクト賞受賞。

スアン=ハ(Xuân-Hạ)
1993年生まれ
https://www.anotherxuanha.com

ベトナムのダナンを拠点に活動する分野横断的なアーティスト、コミュニティワーカー。支配的な言説の中で消し去られ、不可視にされがちな、ミクロな歴史や周縁化された個人的な語りに深く根ざした芸術実践を行う。社会的・文化的な変容や移動のありかたについて批判的に検証しており、特に生態系への影響と先住民のコミュニティのアイデンティティの変遷に焦点を当てたリサーチを行っている。映像、インスタレーション、コンセプチュアル・アート、コミュニティ・ベースドな実践など、様々な活動を統合する学際的なアプローチを通して、個人的な経験を視覚的な物語に再構成しようと試みている。作品を通して、作家は、激変する環境や社会における、アイデンティティの流動性、場所の非永続性、文化的継続性の脆さを問う言説空間を創り出している。また、制作活動の傍ら、作家は地元のアート・コミュニティの構築と拡大に積極的な役割を果たしている。アート・コレクティブ「Chaosdowntown Cháo(ホーチミン市、2015-2019)」の共同創設者であり、最近では「A Sông(ダナン、2019-現在)」を創設し、芸術監督も務める。ベトナム中部地域での芸術活動を通じて、新進アーティストが社会問題に取り組み、芸術活動において批判的思考を育むためのプラットフォームを確立することを目指している。

レナ・ブイ(Lena Bui)
1985年生まれ
https://www.lenabui.com

2007年ウェズリアン大学で東アジア学の学士号を取得。2009年よりサイゴン在住。彼女の作品は、楽しげな逸話として表現されていながら、同時に人間と自然や周辺環境の関係が急速に発展していくインパクトについての深い表現にもなっている。作家は、信仰、死、夢といった、とらえどころのない生活の一側面が、人間の行動や知覚に与える影響について探求している。ドローイング、ペインティング、映像を中心に、作品にふさわしいと思われる媒体であればどのようなものでも用いて表現を実践する。
近年の展覧会には、「Blue Filaments」(Galerie BAQ、パリ、フランス、2024年)、「Nurture Gaia」(バンコク・アート・ビエンナーレ、バンコク、タイ、2024年)、「In Absence, Presence」(グエン・アート・ファンデーション、ホーチミン市、ベトナム)、「Cyphering, Vibrating, Emanating」(デルフィナ財団、ロンドン、イギリス、2023年)、「Monographs」(アジア・フィルム・アーカイブ、オルダム・シアター・ホワイエ、シンガポール、2023年)、「Flowing Moon Embracing Land」(チェジュ・ビエンナーレ、韓国、2022年)、「Posthuman Ensemble」(アジア文化センター、光州、韓国、2021年)。

グエン・ホアン・ジャン(Nguyen Hoang Giang)
1989年生まれ
https://gianggg.giang.it

ハノイ生まれ、ホーチミン在住。様々なメディアを用いて、新しいテクノロジーの社会的・文化的影響に焦点を当てている。人間と機械の関係における失敗、特に学習のプロセスを主な関心領域としている。Museo del ‘900(IT)、Asian Culture Complex(KR)、Galerie Nord/Kunstverein Tiergarten(DE)、ViaFarini(IT)、MartinGoya Business(CN)、Galerie Quynh(VN)、Nha San Collective(VN)など、様々な展覧会、アーティスト・イン・レジデンス、ギャラリー、美術館で国際的に展示されている。制作活動の傍ら、Net Fluxists(2021年)、In_ur_scr!(2016)において、キュレーションや教育プログラム等も手掛ける 2020年からはRMIT大学(ベトナム)のデジタルメディア学部で講師を務める。

ファン・アン(Phan Anh)
1990年生まれ
https://phananh.space

サイゴンを拠点に活動するマルチアーティスト。2013年にホーチミン美術大学を卒業後、2015年にオランダのユトレヒト芸術大学で修士号を取得。2017年、教育機関や一般のアート・コミュニティから認知や支援を受けていない実践者のためのコレクティブ「Đường Chạy」を共同設立。同年「ドグマ賞」大賞を受賞。ファン・アンの作品は、ドローイング、テキスト、ファウンド・オブジェクトや様々なイメージを組み合わせるアーカイブ的な手法に加え、映像やインスタレーションを多用する。これらの作品は、パフォーマティブにイメージを構成しようとする実験的な試みによって作られており、政治的、社会的、歴史的な出来事に関する言説を探求しながら、既成の物語に挑戦する行為を通して、思想、研究、表現の自由を提唱することを目指している。近年の展覧会や上映会に「Saigon Experimental Film Festival V」(ヴァンラン大学、ハノイ、ベトナム、2024年)、「in flux: ベトナムのビデオアートにおけるメディアの再検討」(TRA-TRAVEL & JUU、大阪、日本、2024年)、「Pixelating families: Pixelating families: Photography as Material for Filmic (Re)Inquiry」(Sàn Art、ホーチミン市、ベトナム、2023年)、「Walk-in Cinema:Glad we made it on time」(Salt Beyoğlu、イスタンブール、トルコ、Sàn Art、ホーチミン市、ベトナム、アジア美術館、サンフランシスコ、アメリカとの共同企画、2022年)、「Remnants」(Sàn Art、ホーチミン市、ベトナム、2022年)、「M. A.P Month of Arts Practice」(Heritage Space、ハノイ、ベトナム、2020年)、「Le Voyage dans l’Imaginaire」(bottomspace、広州、中国、2019年)、「Singing to the Choirs? ‘、(The Factory Contemporary Arts Centre、ホーチミン市、ベトナム、2019年)、「The Foliage 3」(VCCA、ハノイ、ベトナム)、「The Museum of the Mind」個展(ホーチミン市、ベトナム、2018年)、「ACC Arts Space Network Residency」(光州、韓国、2018年)など。

<連携機関について>
Sàn Art(サン・アート)
https://san-art.co/
2007年、ホーチミンを拠点にアーティストが運営する非営利アートプラットフォームとして設立。以来、ベトナム地域を代表するインディペンデントなアート団体に成長。国内外の文化活動やアーティストの活動を草の根的に支援する姿勢を保ちながら、教育プログラムも定期的に実施するほか、批評の場としても機能している。
これまでのプロジェクトには、展覧会以外に、アーティスト・イン・レジデンス・プログラム「Sàn Art Laboratory」(2012-2015年)や、出版に関する連続イベント「Conscious Realities」(2013-2016年)があり、文筆家、アーティスト、思想家、文化関係者を招き、グローバルサウスに焦点を当てたプログラムを展開している。2018年にはキュレーター養成講座「Uncommon Pursuits」と、ベトナム地域の近現代美術の対話に焦点を当てた新しいギャラリーを立ち上げた。また同年、MoT+++およびNguyen Art Foundationと共同で設立した国際的なアーティスト・イン・レジデンス・プログラム「A. Farm」(2018-2020年)を開始。団体として新たな一章を歩み始めたSàn Artは、革新的で実験的な実践や視点を支援・育成するコミュニティのハブとして拡大している。

基本情報

日時

2025年1月18日(土)~2025年2月9日(日)

10:00~18:00
映像は上記時間中ループ再生されます。
定員 入場無料
料金 無料
会場 京都芸術センター 和室「明倫」

クレジット

京都芸術センター、Sàn Art

問合せ先

京都芸術センター
TEL 075-213-1000
E-mail event@kac.or.jp