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KAC TRIAL PROJECT / Co-program 2017 カテゴリーC「共同実験」採択企画 村上慎太郎「アジア顔が巡る、 アジアの無自覚」リサーチ報告会

ジャンル
演劇
カテゴリー
トーク
開催日時
2018年3月31日(土)
会場
京都芸術センター フリースペース
料金・その他
無料
事業区分
主催事業
KAC TRIAL PROJECT / Co-program 2017 カテゴリーC「共同実験」採択企画 村上慎太郎「アジア顔が巡る、 アジアの無自覚」リサーチ報告会
KAC TRIAL PROJECT / Co-program 2017 カテゴリーC「共同実験」採択企画 村上慎太郎「アジア顔が巡る、 アジアの無自覚」リサーチ報告会

約1ヶ月にわたる東南アジアリサーチの報告会

村上は、何気ない会話の中で「インドネシア顔だね」と言われたことをきっかけに、アジアという地域における自分自身の立ち位置に疑問を持ちます。自身の顔をインドネシアと評されたことに少なからずショックを受けた村上は、そのとき自分の中に芽生えたネガティブな感情について思いを巡らせ、この疑問について自己と現代社会を対象として検証する必要性を感じました。近作で、信仰を劇作の要素として扱った村上。リサーチでは、マニラ(フィリピン)・ジョグジャカルタ(インドネシア)、シンガポール、クアラルンプール(マレーシア)、バンコク(タイ)の異なる宗教圏の5都市を巡り、フォークソングの作詞作曲と演奏という村上の持ち味である瞬間的なアウトプットを通して、各都市の世相とそこに置かれる自己のリアリティを反映することを試みました。今回の報告会は、造形としてだけではなく、立場や感情によって変化する人間の「顔」という本質について、彼自身の現段階での思考をもとに語ります。国が変われば、顔も変わるのか。この根源的な問いが村上の今後の劇作にどう結実するのでしょうか。
日時
2018年3月31日 (土)
17:00-18:30
会場
京都芸術センター フリースペース
料金
無料 *事前申込不要
報告会に寄せて
「インドネシア顔」と罵られ、いや罵られてはない。罵られたように感じていた自分が「顔」を巡り、東南アジア5カ国をリサーチ・インタビューしていく中で 、インドネシアで「僕はインドネシアの顔に見えますか?」と聞くと「どこからどう見ても日本人だよ」と笑われた。リサーチ最後の地タイで、ギターを弾いていると日本人の旅行者にタイ人に間違えられた。なぜタイ人に見えたか、と尋ねると「こんなところでギター弾いてる人は日本人のわけがないと思った」と言われた 。最終的に僕の顔を見る人の出自・その場の条件によって「顔」というのは、無限のゆらぎがあるのではないか、と考えた。このこと自体は、当たり前のことかもしれない。だが、リサーチによってこの実感を得られたのが成果だと今は考えている。そして、ここから演劇の創作に向かうにあたって、同じく東南アジア各地でのリサーチをもとに作品創作をしている山下残氏をゲストに迎え、モヤモヤをぶつけてみたい。果たして自分が海外でのリサーチを出発点とした作品を、責任を持ってつくれるか、ということから考えたい。(村上慎太郎)
リサーチ期間中の日報
25日間にわたる5都市リサーチのようすはこちらをご覧ください。

村上慎太郎(むらかみ しんたろう)

劇作・演出家。1984年京都市生まれ。2005年京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科在学中に「夕暮れ社 弱男ユニット」を結成。以降、劇団では脚本・演出を担当している。2008年、次代を担う新進舞台芸術アーティスト発掘事業「CONNECT vol.2」(主催/大阪市)にて大賞を受賞。過去作品に、『プール』(2014)『ハイアガール』(2015)『僕たちは、世界を変えることはできない』(2016)等。第24回OMS戯曲賞ノミネート。舞台以外にも、テレビ・ラジオなどのドラマ脚本や新作狂言の台本も手がける。

夕暮れ社 弱男ユニット

2005 年 京都を拠点に活動を始める。作風としては、演出の趣向性で登場人物のリアリティを追求し、俳優から滲み出る多彩なアイデアを舞台に盛り込んでいくのが特徴。2008年次代を担う新進舞台芸術アーティスト発掘事業「CONNECT vol.2」(主催/大阪市)にて大賞。過去作品に『プール』(2014年)、『ハイアガール』(2015年)、『僕たちは、世界を変えることはできない』(2016年)などがある。現在の劇団メンバーは、村上を含む稲盛明日香・向井咲絵・南志穂の4人。

山下残(やました ざん)

1970 年大阪府生まれ。代表作に 、100ページの本を配り観客がページをめくりながら本と舞台を交互に見る『そこに書いてある』 本物の線路の上で断片から成る世界の事象をつぶやく『大行進』、インターネットレッスンを通じてバリ舞踏を習う『悪霊への道』、伝承の現場を疑似ドキュメントする『左京区民族舞踊』、ブラックボックスへのオマージュ『無門館の水は二度流せ 詰まらぬ』など。

主催

京都芸術センター、村上慎太郎

問合せ先

TEL: 075-213-1000
FAX: 075-213-1004
E-mail: info@kac.or.jp

助成

平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業