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関 優花 アーティスト・イン・レジデンスプログラム2023成果発表会「山中のリポート」
- ジャンル
- 美術
- カテゴリー
- トーク/公演
- 開催日時
- 2024年3月10日(日)
- 会場
- 京都芸術センター 講堂
- 料金・その他
- 無料
- 事業区分
- 主催事業
台湾でのレジデンスプログラム「ADAM Artist Lab」に参加した関 優花による成果発表会
京都芸術センターと台北パフォーミングアーツセンター(TPAC)が協働して実施した、アーティスト・イン・レジデンスプログラムの成果発表会を開催します。本レジデンス事業では、当館からTPACが主催するレジデンスプログラム「ADAM Artist Lab」に参加するアーティストを派遣し、TPACは当館のスタジオを使って滞在制作を行うアーティストを派遣します。
今年度当館が派遣した関優花は、パフォーマンスや版画制作を行いながら、ライフワークとしてハラスメント被害者への支援を続けてきました。台湾で約1カ月間、各国から集まった参加者と共に重ねた議論やリサーチは、関のこれまでの思考と実践とどのように結びついたのでしょう。本発表会では、パフォーマンス作品とトークを通じて台湾での経験をみなさんに共有します。
ステートメント
本成果発表会では、ある問題における当事者と非当事者の距離をいかに縮めることができるのか、という問いを軸に、私の経験や考えを作品を通して共有します。
昨年8月、私は台湾にて「クィア・エコロジー」をテーマに掲げたレジデンスプログラムに参加しました。そこでは、出身国、民族、ジェンダー・セクシュアリティ、動物の権利などの要素において、異なるアイデンティティや思想をもつ11名のアーティストと出会いました。そして、彼らとともに、先住民族の方々の案内のもと、台東の山中でキャンプを行いました。
多様な背景をもつアーティストたちとの山での生活では、何度も、ともに過ごすなかで感じた発見や違和感について話し合う機会がありました。そこでは、複数の権利問題について同時に思考し、議論することの困難がありました。誰もがある切実な問題の当事者であり、ある問題においては非当事者でした。議論はたびたび紛糾し、感情が溢れ、それぞれの心の傷を垣間見ました。あらかじめテーマとして用意された芸術の理念では、複数の権利の拮抗状態を解消することができませんでした。このような経験を経て、私は、一つ一つの権利問題について学ぶことの重要性を認識すると同時に、異なるカテゴリーに属するものたちが、「トラウマからの回復をめざす共同体」として連帯する可能性について考え始めました。
私はこの3年程のあいだ、ハラスメント被害の公表を行った友人の支援活動を行っています。ハラスメントによって生じた心の傷を回復するまでの道のりは、さながら険しい山を登っているかのようです。先人たちが歩いた道が自分たちにとって必ずしも安全とは限らず、時に立ち止まりながらも、生き延びるための道を自力で開拓していく必要があります。このようななかで、私と友人は、ある事件の非当事者と当事者という立場は変えようがありませんが、険しい地形をともに登っていく協力者としてのパートナーシップを少しずつ形成してきました。私はこれを「トラウマからの回復をめざす共同体」のひとつのかたちであると捉えています。
私にまずできることは、外部にいる他者に向かって山中での経験を、この体を使って知らせることです。今回の発表では、台東の山中で人の心的な傷に触れた経験と、私が支援活動のなかで掴みつつある他者との連帯可能性の手触りから制作したパフォーマンスを行います。そして、それが異なる「山」と「山」をつなぐ方法になったらよいと、楽観的に、真面目に、考えています。
関 優花
基本情報
日時 |
2024年3月10日(日) トークを含め2時間程度 |
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定員 | 20名程度 参加予約について:本イベントの性質上、参加者は抽選により決定されます。参加を希望される方は、京都芸術センターのウェブページより、お名前、ご連絡先、本イベントに期待することを記入の上、お申込みください。申し込み〆切は3月8日(金)、抽選の結果発表は3月9日(土)です。 *記録映像撮影を実施します。 |
料金 | 無料 |
会場 | 京都芸術センター 講堂 |
プロフィール
関 優花
美術作家。筑波大学芸術専門学群版画コース卒業、横浜国立大学大学院Y-GSC修了。自身や他者の体調の変化を動機に、パフォーマンスや版画の制作を行う。近年、パフォーマンスという作品形式のなかにある危険性を問題化し、上演中のパフォーマーや観客の安全を守る方法を作品や展覧会の構造に組み込んでいる。人との協働に関心がある。 2021年より自身のハラスメント被害を公表した安西彩乃さんの支援団体「Be with Ayano Anzai」の代表。主な作品発表に、個展「私をばらばらに説明する」(2020年、ナオナカムラ)、 都美セレクション グループ展 2021「版行動 映えることができない」(2021年、東京都美術館)
クレジット
主催:京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
問合せ先
京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
Tel:075-213-1000(10:00-20:00)
Mail:info@kac.or.jp