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第157回明倫茶会「生鶴(いきづる)」
- ジャンル
- その他
- カテゴリー
- その他
- 開催日時
- 2024年2月10日(土)~2024年3月12日(火)
- 会場
- 京都芸術センター 講堂
- 料金・その他
- 有料
- 事業区分
- 主催事業
人の振る舞いの背景に何があるのか、演劇を用いてこの問いを喚起する村社祐太朗が、このたび茶会を開きます。
さまざまな分野で活躍する方々を席主に迎え、それぞれの個性でもてなす明倫茶会。京都芸術センターでは、開館以来、幅広いジャンルから「席主」を迎え、市民の皆様をもてなしてまいりました。
明倫茶会「生鶴」について
生鶴(いきづる)は、安土桃山時代に小堀遠州という茶人が書き遺した献立にあった言葉です。当時は鶴を獲って食べていたので、茶会の前に新鮮な鶴が手に入り思わずこう書いたのだと思います。汁物の具材として大根や松茸と並べ書かれているので、決して生で鶴を出したという意味ではないと思います。ただなぜか「生鶴」と書かれると、見慣れないからか少しぞっとします。なんのことだろうと。
今回の作品では、高齢者虐待とマルトリートメント(児童虐待未満の不適切な養育のこと)を扱います。人と関わる上で、相手の能力や権利、意志や機会を不当にも見限ってしまうことがあります。虐待はそのひとつの例だと思いますが、こうした「見限り」のその酷い帰結に私たちはそう直面しません。仮に直面したとしても、過去の一つの見限りがその元凶だとはつゆにも思わず、現在の苦境をやり過ごすように思います。なんだ生きていたのかとはっとする時、それはその前段で何かが無い(亡くなった)と思ったからです。とはいえ、「もう忘れたかと思った」「そこまで感じないと思った」「もう死んだのかと思った」等の残酷な告白には、後悔の芽が含まれているようにも思います。わたしが描きたいのは見限ってしまった後のことです。後悔が変奏していく様です。
目立って私的な思考や感情を扱うにあたり、私はドラマの力を信じています。またドラマは、再現とは別の方法でも味わうことができます。今回は「茶会」という形式を借りて、ドラマをただ一口味わっていただくような場を用意します。ぜひご来場ください。(村社祐太朗)
基本情報
日時 |
2024年2月10日(土)~2024年3月12日(火) 全5回10日(土) 14:00/20:00 11日(日) 11:00/17:00 12日(月) 11:00 |
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料金 |
1500円 ※参加対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) |
申込方法 | 京都芸術センター ホームページより事前申込 支払いは当日精算にて承ります。 |
会場 | 京都芸術センター 講堂 |
プロフィール
村社祐太朗席主
新聞家主宰。演劇作家。訥弁の語りを中心に据え、書くことや憶え繰り返すことを疎外せずに実現する上演に取り組んでいる。近作に『とりで』(2023、作・演出)。戯曲『とりで』(2022)が第22回AAF戯曲賞大賞。2019-20年度公益財団法人セゾン文化財団セゾンフェローⅠ。2020-22年度THEATRE E9 KYOTOアソシエイトアーティスト。
中川友香出演
俳優。主な出演作に、新聞家『合火』『弁え』『とりで』、ロームシアター京都レパートリー作品『文化センターの危機』(作・演出:松田正隆)、『ネオンサイン』(演出:ニシサトシ)、関田育子『浜梨』、オル太『ニッポン・イデオロギー』、『きみの面影をいまだ夢みる』(監督:篠崎誠)、『Slopes』(MV、監督:壷井濯)など。2022年、俳優2人組のユニット「再演企画」を始動し『ここから発つ』を上演。
クレジット
主催:公益財団法人京都市芸術文化協会
問合せ先
京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
TEL: 075-213-1000
FAX: 075-213-1004
E-mail: info@kac.or.jp