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展覧会「Body Buddy Baby」
- ジャンル
- 美術
- カテゴリー
- トーク/レクチャー/展覧会
- 開催日時
- 2024年11月5日(火)~2024年12月22日(日)
- 会場
- 京都芸術センター ギャラリー北・南
- 料金・その他
- 無料
※予約不要(定員あり)
- 事業区分
- 主催事業
群馬を拠点に活動するアーティストの川松康徳と京都芸術センターが共同で主催する本展覧会は、「身体と実存」をテーマにしています。乳幼児(Baby)が自らの身体(Body)を起点に他者や世界と絆(Buddy)を結ぶように、川松を含む4名のアーティストたちは、本展で、自らの身体を起点に世界を捉え返そうとします。展示のほか、パフォーマンスやレクチャーも実施します。どうぞご覧ください。
ドラマのワンシーンが流れている。犯人を追跡する警察。GPS、監視カメラ、口座履歴、電子決算、通話記録、IPアドレス、、、四六時中記録され、離散したログに残るバラバラになった犯人を時空間で関連付けることで、身体の在処をトラッキングしていく。いくつもあったタイムラインがひとつに集約していくドラマとは反対に、現実はパーソナルなタイムラインの中で、デジタライズされたログの羅列が主体を物語っていく。 ひとつである必要がなくなった時間、同じである必要がなくなった空間には、語りやすく加工して切り出された私と、そのためのランダムに離散した身体が浮いている。それは本来身体が持っていた自由になる制約への所作を、記述され続ける現実の中に閉じこめてしまう。閉じられた所作はコストになってしまい、コストパフォーマンス/タイムパフォーマンスとして支払いの対象となる。 そうやって社会的構築物となったアイデンティティに、私たちの実存はあるだろうか? 本展では身体の在処、そのプリミティブな制約を再起動するために、デジタライズされる身体/現実への反応として、バイオメトリクス(生体認証) における情報処理過程を参照しながら、それぞれのアーティストの実践の先に、これからの在り方を見つけていく展覧会です。(川松康徳)
オーディオガイド
展覧会では、各作品の近くに、身体を基準とした作品の見方を示すオーディオによるガイドバイアスが設置されています。それは作品の見方を案内するよりも、特定の基準に照らし合わせ、むしろ鑑賞者の認知を誘導するものとなってしまうでしょう。その認知バイアスをすり抜けて、独自の身体を見つけることができるでしょうか?
■関連プログラム1
AIRdabada「壁の向こう側/階段と会談 」
AIRは、さまざまな場所を一時的に放送室に変化させ、発話/談話を含む「声」から場を発生させるプロジェクトです。目指すのは、非評価的環境で、プライベートと公共/共用が溶け合う場で生まれる「問いかけ」になること。
壁の向こう側にある階段は、1階でも2階でもない。どちらでもないその場所を使わずに、上にも下にも行くことはできない。もし行くことができるとしたら、そこで行使されるのは、階段を作る「力」と、別の入口を作る「破壊」だけである。
日時:2024年11月10日(日)14:00
登壇:吉野靫
会場:ギャラリー北 西側通路・階段前
*予約不要・入場無料。
■関連プログラム2
Æffection 「壁の前/背景と演壇」
アェフェクションは、AffectとEffect(共に効果や影響に関する言葉)にAction(行為)を組み合わせた造語で、ある任意のパフォーマンスを共同作業に変換し、パフォーマンスし直すものです。身体と実存をテーマに展開されるBody Buddy Baby展ではアーティストの(制作)行為が作品化されたものが登場します。作品となるために取り出され手続きとなった行為は、始まりや終わりが付き纏う事情を外在化してしまっているのかもしれない。そこで始まりの他者として、一対一のパフォーマンスを基本とする内田望美とともに、協働するための対話プロセスを得て、共同化する終わり方を考えるものです。
日程
①内田望美+吉川永祐 2024年11月20日(水) 14:00から
②内田望美+高橋順平 2024年12月4日(水) 14:00から
③内田望美+川松康徳 2024年12月18日(水) 14:00から
※申込不要・参加無料
会場:ギャラリー内で協働のパフォーマンスを実施。
基本情報
日時 |
2024年11月5日(火)~2024年12月22日(日) 10:00-20:00 |
---|---|
料金 | 無料 |
会場 | 京都芸術センター ギャラリー北・南 |
プロフィール
吉川永祐出品作家
1997年島根県生まれ。2023年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油絵コース修了。距離、立場、タイミング、状況など、対象との出会い方の変化による認識の変化や錯綜に関心を寄せている。特に近年は自身のからだを起点に映像やオブジェクトを作成し、それらをインスタレーションとして構成している。自己の実存と、遠くかけ離れているように感じているモチーフとを結びつけるような制作を展開している。主な展覧会に「摩擦/ここをわたしの居場所というとき」(2024年、プライベイト/東京)、「C&P 企画 3rdEye4Head」(2023 年、石黒ビル / 石川 )、「霧の向こうから石が」(2022年、ギャラリー無量 / 富山 )、「ストレンジャーによろしく」 (2021年、金沢市各所)など。
https://www.instagram.com/eisu_ke_/
高橋順平出品作家
1999年新潟県生まれ。京都芸術大学大学院修士課程美術工芸領域修了。極めて個人的な物語や身体感覚を共有可能にするための装置としてのインスタレーションや、公共空間で予告なしに行われる労働的なパフォーマンスを制作する。主な展覧会に、「スローイング・スパゲッティ at VOXビル」(2023年、VOXビル/京都)、「写真は変成する3 INTERPLAY on POST/PHOTOGRAPHY」(2023年、京都芸術大学)、「ウサギ・ハチドリ・ホムンクルス 〜新しい地平の作り方〜」(2023年、MEDIA SHOP gallery/京都)、「KUA ANNUAL 2022」(2022年、東京都美術館/東京)など。
https://www.instagram.com/taka.0_0.jun/
内田望美出品作家
1989年富山県生まれ群馬県育ち。2021年金沢美術工芸大学博士後期課程修了。自他をかたちづくる肌や境界を揺動させる体温に着目し、身体をこえて「あなた」に触れようとする「接触」を試みる。生きている中で逃れることのできないさみしさや痛みを分け合うことを願い、鑑賞者と一対一でコミュニケーションをとるパフォーマンスを行う。
近年の主な展覧会に、「前橋の美術2024」(2024年、アーツ前橋/群馬)、「FRÁGIL-es」(2024年、MICROGALERÍA/アルゼンチン)、「休日のプラットフォーム[休養と回復]」(2023年、BankART KAIKO/神奈川)、「River to River 2022」(2022年、前橋市商店街周辺)、「ストレンジャーによろしく」(2021年、金沢市各所),「3331 ART FAIR 2021」(2021年、3331 Arts Chiyoda/東京)など。
https://www.instagram.com/uchidanozomi/
川松康徳 出品作家
1984年群馬県生まれ。2006年東京工芸大学デザイン科修了。ICA京都リサーチフェロー2022(助成:Arts Aid Kyoto)。 国内外での滞在制作をベースとしながら、ドキュメンタリーやインタビューの手法を用い、移民や失踪者家族、国籍不特定者などアイデンティティに葛藤を抱える人の記憶に焦点を当て、語りの中に展開される画像、記号、振る舞いを追跡し、その過程を「他者の中に自己を開いていく」新しい物語としてシミュレーションするインスタレーションを手掛けています。 近年の主な展覧会に、アルゼンチン国立東洋美術館共催個展「NARRATIVISUAL:V」(2024年、cheLA、助成:小笠原敏明文化財団、業務スーパージャパンドリーム財団)、MACBA(ブエノスアイレス現代美術館)にて上映会。「36/サブロー」(2023年、京都芸術大学)、「KYOTO STEAM 2022」(2022年、京都市京セラ美術館/京都)、「金沢ナイトミュージアム2020」(2020年、金沢21世紀美術館茶室’松涛庵’、室生犀星記念館/石川)、「Who am I becoming」(2019年、WORM財団/オランダ*共同制作作品ロッテルダム国際映画祭2020出品)など。
https://www.instagram.com/kawamatsuyasunori/
吉野靫関連プログラム登壇者
クィア、トランスジェンダー/立命館大学生存学研究所客員研究員
立命館大学先端総合学術研究科修了。学生時代は自治会で学費値下げやジェンダー・セクシュアリティ課題に取り組む。2006年、大阪医大ジェンダークリニックで医療事故に遭い裁判を経験。著書に『誰かの理想を生きられはしない とり残された者のためのトランスジェンダー史』(青土社2020)、共著に『10代に届けたい5つの“授業”』(大月書店2024)など。
クレジット
主催:川松康徳、京都芸術センター(財団法人京都市芸術文化協会)
アクセシビリティ
〇車椅子をご利用の来場者の方へ
・車いすを、事務所にて無料で貸し出しております。ご入用の方はお声掛けください。
・車椅子対応エレベーターを設置しております。
・車椅子用トイレは南館1階、南館2階にございます。
〇聴覚障がいをお持ちの方へ
・本展では、オーディオガイドを準備しています。聴覚障がいをお持ちの方のために、オーディオガイドを文字お越ししたものを本ページにアップしていますのでご利用ください。
〇その他
・盲導犬、介助犬、聴導犬を伴ってのご入館は可能です。
問合せ先
京都芸術センター
TEL: 075-213-1000
E-mail: info@kac.or.jp