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第152回 明倫茶会 英ゆう 展覧会 『作庭ひらく』
- ジャンル
- 美術
- カテゴリー
- 展覧会
- 開催日時
- 2021年2月13日(土)~2021年2月27日(土)
- 会場
- 京都芸術センター 和室「明倫」
- 料金・その他
- 無料
- 事業区分
- 主催事業
絵画によって、観る人の心を自然へと誘う、
英(はなぶさ)ゆうの展覧会を開催
~ 英ゆうさんのステートメント ~
「ひらく」とは築く、閉じていたものが広がる、花が開くというような意味を持つ。人のイマジネーションの広がりが意識の繋がりを生み出していくことをあらわしている。
物質的に満足度の高い現代において、これから目指すより良い社会とは如何なるものなのか、そんなことを考えるとき、私個人としては物質的空間以外の次元にひらいていく必然性を感じざるを得ない。
美術作品は希望を表現するものだという信念を持って、これまで私は人と自然が豊かに調和する光景を描くことを核に絵を描いてきた。タイでの長いリサーチや滞在制作を通して日本人の自然観を見直し、人の美意識を通して作りあげられる自然の姿として、タイの供花や日本の庭をモチーフにしてきている。庭はまさに日本人の知識と美意識の宝庫であり、個人的な創意を盛り込んでいくこともできるオールマイティな場であり、必ずしも実体がなくてはならないわけでもなく、非常に抽象的に定義することもできるが、そこには必ず場という意識と人の創意がある。いかにして絵画で庭を作り出すか、という試みの一つを今回また和室明倫でさせていただくことになり、心から深く感謝している。
2010年にタイでの滞在制作から帰国後、京都芸術センターの大広間の空間をバンコクの王宮前広場に見立てた「外を入れる」という展示を行い、2013年には和室明倫で「外を入れる vol.2 」と題して室内に日本庭園を思わせる空間を作り、茶室(和室明倫)で「野点」を行なった。
その後も室内に外(庭)空間を作る作庭というコンセプトで展示発表を繰り返す中で、室内にいながらどんな風景も作り出せる窓、又は扉としての絵画のポテンシャルを探っている。近年は植木だけを描いた絵画作品を置く事で室内空間に庭を作るという展開もしており、それを染料プリントで布に移すことによって、より柔軟に扱える可能性を感じており、今回初めてそうした作品も展示する。
現在はコロナ禍により、思いがけずリモートでの交流がスピード感を持って世間に浸透した。その状況下で、物質を介さない空間内での交感が可能であることを実感させられた。私たちは物理を超えてどこへでも行ける。という思いを持って参加者それぞれが選んだ処に座していただき、展示により作庭した場を軸にオンライン茶会を開催したい。
茶会は庭師で茶人の植彦(甘雨庵)さんに導いていただき、参加される方々には事前にキットを配送してオンラインで(自服による茶会の)時間と体験を共有する。
展覧会では庭をかたちづくる屏風作品や染料プリントによる絵画と、絵画の最も古い役割である「祈り」の媒体としての体験型作品を出品する。その扉を通して異次元への意識を、或いは届けたい思いをひらき起こしてほしい。
- 日時
-
2021年2月13日 (土) – 2021年2月27日 (土)
10:00 ~ 20:00
※2月22日、23日は明倫茶会実施のため休廊 - 会場
- 京都芸術センター 和室「明倫」
- 入場料
- 無料
英ゆう
1973年京都生まれ。大学院在学中Royal College of Art(イギリス)への交換留学を経て1998年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2004文化庁新進芸術家海外派遣制度によりタイ王国チェンマイにて滞在制作、2007年より京都市文化芸術特別奨励制度を受けてタイ王国バンコクにて滞在制作、2009年ポーラ美術振興財団在外研修員 2011年京都市芸術新人賞受賞。2009年バンコクにて個展「Floating Illusion」PSG Art Gallery (日メコン交流年正式認定事業)、2010年個展「外を入れる」京都芸術センター(大広間)、2011年個展「祖を辿る旅」INAX ギャラリー、2013年個展「外を入れる vol.2」京都芸術センター(和室明倫)、2019年個展「作庭」Art-U room等、国内外にて展覧会多数。
英ゆう・植彦「オンライン茶会 – 帰家穏座(きかおんざ)」
日程:2021年2月23日 (火) 11:00- / 14:00- / 16:00- (各45分)
詳細:お申込み方法などはこちらをご覧ください
主催
京都芸術センター
染料プリント
制作協力:豊島淑子