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展覧会『DAZZLER』
- ジャンル
- 美術
- カテゴリー
- 展覧会
- 開催日時
- 2022年11月5日(土)~2022年12月10日(土)
- 会場
- 京都芸術センター ギャラリー北・南
- 料金・その他
- 無料
- 事業区分
- 主催事業
社会制度と視覚―「見えなくする技術」をテーマとした展覧会
Co-program2022カテゴリーB採択企画
タイトルの「DAZZLER」とは「目眩し」という意味。本展では、社会秩序の維持のために不都合なものを見えなくする技術について、「擬態」「迷彩」といったキーワードを切り口に、私たちの社会を「統治」する技術としての視覚に着目するとともに、これを展開し、批判的な視座をとるアーティストの実践を紹介します。
企画:林修平
出展:飯山由貴、木原結花、五月女哲平、永田康祐、林修平、吉田裕亮
デザイン:6:30
- 日時
-
2022年11月5日 (土) – 2022年12月10日 (土)
10:00-20:00 - 会場
- 京都芸術センター ギャラリー北・南
- ステートメント(企画について)
- 生物がおこなう擬態は捕食者から身を守るために、体表面の色や質感を環境に応じてさまざまに変えるものである。人類は擬態をひとつの着想源として迷彩のような戦争技術としてのカモフラージュを生んだ。第一次世界大戦当時、その開発には美術家たちも「専門家」として参画していた。
色や形象を配置することによって視覚を撹乱せしめることは、生物や人間にとって、生存の確率を直接的なかたちで左右する切迫した営為であっただろう。
ところで、擬態、迷彩の時代を経た後、戦後のオプアートから現在に至るまで、その圏域はどのように作動し、そして変節してきたのだろうか。私たちは、それらが統治の技術に組み込まれた、という見方をとる。
身を守る擬態から統治の技術としての目眩しへの移行。
この統治技術は、例えばジェントリフィケーションやかつての諸々の隔離体制など、本来であれば質が異なっている疎外に通底するものだろう。不都合な事実や他者を疎外し、見えなくする、そしてそれはきっとあたかも非の打ちどころのない秩序として、きわめて美しい見かけをとる。そのような配置が、かつて生存のために培われた技術が行き着いた、現在におけるひとつの形ではないか。本展は、視覚を介在した統治の形式、またそれが生み出す疎外に、擬態、迷彩、目眩しといった連なりを敷衍した個別の実践で抵抗する試みである。
林修平(本展キュレーター)
- 関連イベント① 飯山由貴《In-Mates オンライン公開版》上映会+トーク
- 本展出展作家の飯山由貴のこれまでの活動についてより深く知るため、映像作品《In-Mates オンライン公開版》を上映し、トークを行います。
日時:11月23日(水・祝)
開場18:30(受付開始18:15)
開演19:00 終演20:30(予定)
会場:京都芸術センター大広間(西館2階)
ゲスト:飯山由貴、林修平(美術家)、FUNI(ラッパー)※
ファシリテーター:谷竜一(京都芸術センター)
料金:1,000円(税込・当日精算)
申込:WEBにて(本ページ下部よりお申込み下さい/先着順・要事前申込)
申込受付:11月18日(金)12:00より受付中【定員に達し次第受付終了します】※オンラインにて参加予定
- 関連イベント② アーティストトーク:林修平
- 本展出展作家で企画者の林修平が、自作《帝國水槽》についてのトークを行います。
日時:12月7日(水)
開場・受付18:00
開演18:30 終演20:00(予定)
会場:京都芸術センター ギャラリー北
登壇:林修平、ゲスト:宮崎竜成(アーティスト)
料金:500円(税込・当日精算)
申込:WEBにて(本ページ下部よりお申込み下さい/先着順・要事前申込)
申込受付:11月18日(金)12:00より受付中【定員に達し次第受付終了します】※上記イベント時、ギャラリー北は参加者のみ出入り可となります。
- 関連イベント③ アーティストトーク:飯山由貴、吉田裕亮
- これまでにハンセン病を主題とした作品を制作している飯山由貴と吉田裕亮によるトークイベント。
日時:(調整中)
会場:オンライン
登壇:飯山由貴、吉田裕亮(ほかゲスト)
※詳細は決定次第お知らせいたします。
飯山由貴 IIYAMA Yuki
神奈川県生まれ。東京都を拠点に活動。
映像作品の制作と共に、記録物やテキストなどから構成されたインスタレーションを制作している。個人と社会および歴史との相互関係を考察し、社会的なスティグマが作られる過程と、協力者によってその経験が語りなおされること、作りなおされることによる痛みと回復に関心を持っている。 近年は多様な背景を持つ市民や支援者、アーティスト、専門家と協力し制作を行っている。主な展覧会に『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』(森美術館、東京、2022)、個展『あなたの本当の家を探しにいく』(東京都人権プラザ、東京、2022)など。
木原結花 KIHARA Yuika
1995年大阪府生まれ。
見えなくなってしまった存在の断片を探り、イメージを作り上げる制作を行なっている。主な展覧会に「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」(横浜市民ギャラリーあざみ野、2021)、「写真的曖昧」(金沢アートグミ、2018)、「A-Lab Artist Gate 2017」(あまらぶアートラボ、大阪、2017)など。
五月女哲平 SOUTOME Teppei
1980年栃木県生まれ。
絵画作品を中心に立体,写真,映像などを織り交ぜた作品などを発表。近年では、建築家やデザイナー、ミュージシャンとの共同制作なども行っている。
主な展覧会に『松本建築芸術祭』(旧宮島肉店、長野、2022)、『our time』(青山目黒/void+/nadiff、東京、2020)、「Olaph the Oxman」(C Ø P P E R F I E L D、ロンドン、2019)、『MOTコレクション第2期ただいま/はじめまして』(東京都現代美術館、2020)、『絵と、vol.1』、(Gallery αM、東京、2018)など。
永田康祐 NAGATA Kosuke
1990年愛知県生まれ。
神奈川を拠点に活動。社会制度やメディア技術、知覚システムといった人間が物事を認識する基礎となっている要素に着目し、あるものを他のものから区別するプロセスに伴う曖昧さについてあつかった作品を制作している。主な展覧会に『イート』 (gallery αM、東京、2020)、『あいちトリエンナーレ2019:情の時代』(愛知県美術館、2019)などがある。また、主なテキストとして「Photoshop以降の写真作品:「写真装置」のソフトウェアについて」(『インスタグラムと現代視覚文化論』所収、2018)など。
林修平 HAYASHI Shuhei
1993年愛知県生まれ。
人間がある対象を秩序から疎外する際に用いられる技術や制度、それを裏支えする視覚の権力性に対する関心を基に作品制作や展覧会企画を行っている。2020年よりアーティスト・ラン・スペース「IN SITU」の運営も行っている。近年の主な発表に「P 尽き果て」(IN SITU、愛知、2022)、「Polaris」(芸宿、石川、2021)、「群馬青年ビエンナーレ2021」(群馬県立近代美術館、2021)、「声の棲み家」(プライベイト、東京、2021)など。
吉田裕亮 YOSHIDA Hiroaki
1994年群馬県生まれ。
権力に不都合な主体が異なる対象として扱われてきた制度や歴史に関心を持って作品を制作している。主な展覧会に「群馬青年ビエンナーレ2021」(群馬県立近代美術館、2021)、「ルドヴィコ療法的診断『カルテをとる』」(blanClass、神奈川、2018)「OVERLAP」(Tokyo Wander Site、2016)など。
Co-programカテゴリーB(共同開催)
本企画“Co-program”は、公募により採択された、自身の活動や実績を積み重ねてきたアーティストやキュレーターと、京都芸術センターが共同で主催する展覧会事業。これまで注目のアーティストの紹介や新たな表現の展開を試みる企画を実施してきました。
過去の採択企画(一部)
2021年 原田裕規『Unreal Ecology』
桐月沙樹・むらたちひろ 『時を植えて between things, phenomena and acts』
2020年 黒田大スケ『未然のライシテ、どげざの目線』
主催
林修平、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
問合せ先
京都芸術センター
TEL:075-213-1000
FAX:075-213-1004
E-mai:info@kac.or.jp