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ニュイ・ブランシュ2020KYOTO ル・フレノワ映像展「空のむこうに‐宇宙の超現実‐」(Au-delà de notre ciel – Surréalité du Cosmos- )
- ジャンル
- 美術
- カテゴリー
- その他
- 開催日時
- 2020年9月25日(金)~2020年10月4日(日)
- 会場
- 京都芸術センター フリースペース
- 料金・その他
- 無料
- 事業区分
- 主催事業
われわれの現実世界の先にあり、天空の彼方にある宇宙のような別の世界、超現実。宇宙の星々へと想像の翼を広げ、つかもうとするように、超現実の表現に挑んだ美しい映像とサウンドからなる4つの映像作品の上映会
フレノワ国立アートセンターで教育を受け、制作活動を行った4名の映像作家、Annabelle Amoros(アナベル・アモロス)、Hugo Deverchère(ユーゴ・デヴェルシェル)、瀬戸 桃子、Vincent Ceraudo(ヴィンセント・クロード)らの映像作品を上映します。
大スクリーンでの上映をお楽しみください。
4名の作家による作品を連続上映しています。
各回の上映開始時間は以下の通りです。
10:00/11:15/12:30/13:45/15:00/16:15/17:30/18:45(20:00終了予定)
※途中入退場自由、4作品を1つにまとめてループ上映しています
※上映時間約1時間15分(インターミッションの時間含む)
※10月3日(土)は上映時間を一部変更、22時までご鑑賞できます。それに伴い、3日(土)は以下の上映スケジュールとなります。
10:00-/11:20-/12:40-/14:00-/15:20-/16:40-/18:00-/19:20-/20:40-(22:00終了予定)
【上映作品順(途中インターミッションを含む)】
Planet A、Momoko Seto、2008、7min 40sec
The observatory、Vincent Ceraudo、2016、18min
COSMORAMA、Hugo Deverchère、2017、21min
Area 51, Nevada, USA、Annabelle Amoros、2017、15min
われわれの現実世界。自然環境とその現象、さまざまな風景、いわれや歴史を背負う建物や土地。
われわれの現実世界の彼方にある世界、宇宙、霊界といった超現実。
われわれが時に、天空の彼方にある星々に手を伸ばしてつかもうとするように、われわれは超現実へと想像の翼を広げ、研究し理解しようとし、そして目に見えず触れられないものをなぜか感じてしまう。
星々をわれわれの頭上を取り巻く空から切り離せないように、われわれは超現実から離れられず、感じ、想像し、進出し、時に自ずとつながる。
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Momoko Setoは、塩の結晶作用と腐食、そして水というわれわれの現実世界を根本から支える物理現象にレンズをむける。この物理現象から見えるのは、美しくも見えるが荒廃したどこかの惑星でなにか生命のようなものが生成されていくSF的世界観である。ただ、ここに彼女は、アラル海の砂漠化というわれわれの文明の問題を内包させているようだ。
Vincent Creaudoは、カミーユ・フラマリオン天文台にレンズの焦点をあてる。天文学とテレパシーを関係づけ、研究し続けたフランスの天文学者カミーユ・フラマリオン(1842-1925)。パリ郊外のある天文台に招聘された、霊能力者・科学者・超常現象研究者たちの体験を記録したストーリーとして映像は展開していく。霊的存在とその場所でかつて起こったことの残り香を感じ、観測し、そしてイメージを想起展開させていく。登場人物たちとその語り・様子、天文台の風景を収めていく本作品は、場所の歴史、宇宙・霊的世界といった超現実、カミーユ・フラマリオンをつないでいく。
Hugo Deverchèreによる、スペインの自治領テネリフェ島の巨大なティデ天文台と島に植生する5000万年前の世界の様子をとどめる原始林を、宇宙観測で用いられる高解度赤外線カメラで撮影し、さらに電波望遠鏡のデータを音声データに転換しサウンド使用した映像作品。テネリフェ島は、たしかにわれわれの現実世界の土地であるが、われわれが知覚できない近赤外線を通して白黒で収められた島の風景と宇宙浮遊のようなカメラワークは、美しく展開されながら現実世界を宇宙空間の別の星のような超現実として彩る。
Annabelle Amorosは、アメリカ・ネバダ州、エリア51の風景と人々をカメラに収めていく。険峻な山々に囲まれ砂漠に位置するエリア51はアメリカ軍の厳重な管理・監視下に置かれている。不審な光や音の目撃情報が跡を絶たず、未確認飛行物体(UFO)の飛来が噂されることで有名だが、その真相をつきとめる術はない。そのことがわれわれの超現実への想像を可能にする、そのことを彼女は淡々と克明に映像で描こうとする。
- 日時
-
2020年9月25日 (金) – 2020年10月4日 (日)
10:00‐20:00
※会期中無休、入場無料
※10月3日(土)は22:00まで - 会場
- 京都芸術センター フリースペース
Momoko Seto
1980年東京生まれ。映像作家。 フランス人学校リセ・フランコ・ジャポネ東京校卒業後、マルセイユの国立美術大学・映像科の修士課程修了。在学中にカリフォルニア・カレッジ・オブ・アーツへ留学。その後フレノア国立アートスタジオ在学中の2008年に短編作品『PLANET A』発表。ロッテルダム映画祭、ロカルノ映画祭等で上映され注目を集める。同時にパリの国立科学研究所所属のドキュメンタリー映画監督として多数の作品を発表しながら、2011年『PLANET Z』発表。同作は2012年のパリ・ファンタスティック映画祭グランプリはじめ、ベルリン映画祭短編部門の正式出品作品に選ばれるなど、世界の100以上の映画祭で受賞や上映される。現在タイムラップス技法を用いた作品で世界の注目を浴びる映像作家であり、ドキュメンタリー映像作家である。「プラネット Σ」は第65回ベルリン映画祭で斬新的な作品に送られるアウディ賞を日本人初受賞。
Vincent Ceraudo(ヴィンセント・クロード)
1986年、フランス・フォンテヌブロー生まれ。ニースにある国立高等美術学校を母体とするla Villa Arsonを卒業後、フレノア国立アートスタジオにも在籍。魔術、秘教、科学など横断領域的な視座に立ち、現実世界におけるわれわれの知覚の不確かさ・われわれの知覚から取りこぼされるものを追求して、映像・写真・オーディオ・パフォーマンス・インスタレーション作品を創作。le Salon de Montrouge, le palais de Tokyo, le MUMA, Monash University Museum of Art de Melbourneなどでの展覧会、フェスティバルに近年、出展多数。
Hugo Deverchère(ユーゴ・デヴェルシェル)
1988年、フランス・リヨン生まれ。国立高等装飾美術学校(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs、パリ、フランス)、フレノア国立アートスタジオを卒業。科学的なアプローチを使い、われわれと現実世界との関係や想像力、集合的記憶を題材にした映像作品を創作。パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo、パリ、フランス)FRAC Grand Large (ダンケルク、ドイツ), Pearl Art Museum (上海、中国), MACRO (ローマ、イタリア), the International Film Festival Rotterdam(ロッテルダム、オランダ)CPH:DOX (コペンハーゲン、デンマーク), Festival du nouveau cinéma (モントリオール、カナダ)など世界各地の美術館、フェスティバルで近年、作品展示経験あり。
Annabelle Amoros(アナベル アモロス)
ロレーヌ国立美術学校(l’École supérieure d’art de Lorraine、メッツ、フランス)で学んだ後、2011年-2014年には国立写真専門高等学校(l’École nationale supérieure de la photographie d’Arles、アルル、フランス)、2012年にはアールト大学(Aalto University in Helsinki、ヘルシンキ、フィンランド)に在籍。その後、フレノア国立アートスタジオに移り、2018年に教育課程を修了。Visions duRéel(2017、ニヨン、スイス)、Biennale BJCEM(2017、ティラナ、アルバニア) 、La Nuit de l’Instant(2017、マルセイユ、フランス)、Les Nuits photographiques, Le Cinéma des photographes,(ともに2016、パリ、フランス)など写真・映像の著名なフェスティバル・作品展に多数出展経験あり。
主催
京都市、アンスティチュ・フランセ関西、京都芸術センター
協力:フレノワ国立アートセンター
問合せ先
075‐213‐1000
料金
無料