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Philipp Dreber Exhibition -Rain in Kyoto-

Genre
美術
Category
展覧会
Date and time
Thu, Feb 27, 2020 - Mon, Mar 2, 2020
place
Kyoto Art Center Auditorium
Fees & Others
無料
Business Segments
主催事業
Philipp Dreber Exhibition -Rain in Kyoto-
Philipp Dreber Exhibition -Rain in Kyoto-

アーティスト・イン・レジデンス プログラム 2019/エクスチェンジ: Quartier am Hafen招聘アーティスト、フィリップ・ドレバーの展覧会。京都滞在中に経験した雨の印象から着想を得た2作品を展示!

京都芸術センターとQuartier am Hafen(ドイツ・ケルン)は、2016年より連携し、相互にアーティストを派遣するアーティスト・イン・レジデンスプログラムを実施してきました。

2019年度は、フィリップ・ドレバー(Philipp Dreber)を招聘しました。57日間にわたる滞在制作の成果として展覧会を開催します。彼は、竹細工などのリサーチに取り組みながら、滞在中に経験した雨の印象をもとに2つの作品を制作しました。

雨が降り始めると突如として店先に並ぶ様子に驚いたというビニール傘を用いた巨大なインスタレーション、また、晴れた日の通り雨から着想を得たという映像作品が、京都芸術センター講堂に5日間のみ出現します。ぜひご覧ください。

日時
2020年2月27 日(木)‐3月2日(月)
10:00‐20:00
※2月29日(土)は10:00‐14:30、3月1日(日)は10:00‐14:30, 17:00-20:00のみの開場となります。
会場
京都芸術センター 講堂
アーティスト・トーク(※中止になりました)
※アーティスト・トークは中止になりました。後日、映像やテキスト等での公開を検討しています。

日時:2020年2月29日(土)13:00-14:00
会場:京都芸術センター 講堂
※入場無料・申込不要

アーティスト・ステーツメント
レジデンス・プログラムが始まった時、私は京都の街中を歩きまわった。新しいインスピレーションを手に入れたかったのだ。リサーチにおいて、私が調べたかったこと、それは集団と個の関係である。
 突如、雨が降り始めた、柔らかく、優しい雨だった。だが、私の頭上の空は青く澄んでいて、日は照り続けていた。まるでどこからともなく、大量のビニール傘がいたる店の店頭に置かれはじめた。京都の街中のイメージが変わったのだった。街を歩いている人々の頭上にはビニール傘が広がっていた。そこで、ある店舗がビニール傘を貸し出し、使い終わったあとに、それに感謝した人たちがビニール傘を返すということを知った時に、私は驚きを隠せなかった。ビニール傘が使った人間の手を介して移動する距離、持ち主をどれだけの回数変えるのかに思いをいたすと、とても興味深い。ビニール傘は私にはまるで、めったに人目を惹かないが常に人に仕えている「Silent Servant(無言で人に仕える人)」に見えた。
 街中を歩いてみて、私が思ったのは、これらの日本に特有の傘をいかにして使うことができるかということだった。それに、私が驚いたのは、(晴れているのに降っているというまるで)魔法のような雨と光と水の交流だった。落ちてくる雨粒は、日の光を反射して、霊薬のように光輝いていた。私はコーヒーを飲みに立ち寄り、初めてドリップされているコーヒーを見た。そこで、(ビニール傘を用いた作品に続き)2つ目の考えが突如浮かんだ。それは光に照らされた水滴というアイデアだ。
 その日、12本のビニール傘を買った。自分が滞在制作を行っているスタジオでそれらの傘に作品としての新たな形を与える可能性を実験した。その結果、それぞれ6本の傘を組み合わせた2つの異なるデザインのユニットができた。その後、私が気づいたのは、その2つの異なるデザインの傘のユニットの組み合わせ方は無限にあって、組み合わせることで3次元の作品をつくれるということだった。
 傘を用いたインスタレーションの作品名はBrother and Sister(兄弟姉妹)。日本で雨が降り始めると、傘は1本1本互いに影響を与え合いながら戯れているようだ。ある意味で、1本の傘は、つながりを生む1つの要素なのであり、見知らぬ人々が傘を交差させ雨を防ぐときに、その見知らぬ人々をより親密にさせる。このインスタレーションが創りだすものは、反射の海である。単一のピースとしての傘は消え去り、集合体としての新しい化身が立ち現れる。向き合った形で、ヴィジュアル・サウンド・インスタレーションWater Drop(雫)が、傘の集合体に刺激を与えている。この作品は光輝く水の雫をステージの上に投げかけ、水滴の音は遍く空間に広がる。
                        フィリップ・ドレバー

フィリップ・ドレバー Philipp Dreber

ドイツ・ケルン在住のヴィジュアル・アーティスト、デザイナー、彫刻家。金属彫刻家ヴォルフガング・ゴッテルツのアシスタントを務める傍ら、2010年、Niederrhein University of Applied Sciencesにて公共デザイン・社会デザインを修める。その後、フリーランスのアーティストとして活動を開始。芸術的デザインと人間の生活空間の重なり合いに関心を示し、公共空間・建物へ設置するインスタレーションを制作。彫刻作品においては、光、水、風など物理現象を用いながら、物体とそれを取り囲む環境の関係を実体化することを試みる。主な作品に、公共空間にホログラムを設置したZeitfenster Kesselsturm(フィールゼン、ドイツ、2014), 港にこどもたちの遊ぶ舟をつくったWiki(ケルン、ドイツ、2017), 水面の反射を利用した水に浮かぶ彫刻作品BUBBLES(ダイク城、ドイツ、2013), アートコレクティブKalypsoとの共同制作で、ブルーム賞を受賞したヴィジュアル・アーツ作品NEGUA(大邱、韓国、2017)など。

主催

京都芸術センター

共催

協力:Quartier am Hafen
平成31年(令和元年)度アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業

問合せ先

京都芸術センター
TEL:075-213-1000

料金

無料